訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
良かった。湊叶さん、この島からいなくならないんだ。
不安が少しなくなり、ホッと胸を撫で下ろす。
「だけど、諦めきれなくて――もう一度話そうと、お店まで行ったらあなたと仲良くしてるのが見えて……」
そうかあの時、今朝店先で見た人影って気のせいじゃなかったんだ。
絢さんだったのか。
「あんな笑顔、久しぶりに見たわ。私じゃダメなのに……なんで、あなたなのって勝手に嫉妬して。あなたさえいなければって考えたわ」
まさか、この崖に落ちたのってワザと?
私を、殺すつもりだったってこと?――。
考えもしない事実に、体温がサーッと冷めていくのが分かる。
「港であった時、正直チャンスだと思ったの。だけど、あなたと町を回って楽しくて……本当の妹みたいに思えて。だから恋人岬で、湊叶の幸せを願って帰ろうとしたのに――」
こんなことになってゴメンナサイ、ともう一度謝る絢さん。