訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】

「……私さ、ちょっと用事思い出したから、帰るね」



さっきから何も言わずに、今のやり取りを見ていた彼女が

突然何かを思い出したかのように、パンッと両手を合わせた。



「え、紗和ちゃん?」

「また来るね。つばさ、ガンバ」



病室を出ていく直前に、胸元で両手をグーにして可愛くポーズ。

え……何を頑張れっていうの?

ここで二人っきりにされると、逆に意識しちゃうじゃない。



「……なんか、俺の所為で悪い」



話し半ばで、紗和ちゃんが部屋を出ていったことに責任を感じたのか

頭を掻きながらすまなそうに頭を下げる。



「また、そうやって自分の所為にする。それ、湊叶さんの悪い癖ですよ」



今のはきっと、紗和ちゃんが変な気を利かせただけで

湊叶さんの所為でも何でもない。


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