訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】

え、そんな……だって確かに、蒼汰さんが言って――。

まさか、嘘?……なんで、そんな嘘を言う必要があったの?


確かあの時、湊叶さんが慌ただしく奥に入って……。

もしかして蒼汰さんは、湊叶さんの行動をフォローしようとして

慌てて、ありもしない会合って言葉を使ったのかもしれない。


じゃ、なんで湊叶さんは慌てて奥に行ったの?

やっぱり私、なにか湊叶さんを怒らせること言った?

分からない、どうして――。

湊叶さんの考えてることが、分からない。



「おい、嬢ちゃん。大丈夫か?」



ふらふらする足取りを心配してか

後ろから広海おじさんの声が聞えた気がしたけれど

その時の私には、半分しか耳に入ってこなかった。


どうやって家に帰ったのかすら、覚えていない。

だけど悔しくて苦しくて

ベッドにうつ伏せになって、泣いていた。


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