訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
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「瀬戸ッ!!」
彼女の目から涙が一粒零れたかと思ったら
バカと叫んで、飛び出してしまった。
追い掛けようと手を伸ばしたけれど、途中で止まってしまう。
俺はまた、彼女の真剣な想いに答えを出すことが出来なかった。
自分自身が情けなくて、その場に座り込んでしまう。
追い掛けてどうするんだ。なんて声を掛けてやればいいんだ。
“好き”というこの二文字が、どうしても言ってやれない。
「湊叶――」
声と共にふらりと目の前に影がさす。
さっき言い合いをしていた時に、どこかに行っていたけれど
瀬戸が飛び出したのを知って戻ってきたのだと単純に考えていた。
「蒼汰……俺、どうすればッ……痛っ、お前何すん――ッ!?」