訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
「それでも、いいから」
湊叶さんの言葉が、何を意味するものか分かってるつもりだ。
同級生でも初Hなんて、経験済みの子はそれなりにいるし
それに私だって、大好きな男の人には触れて欲しいって思う。
「……ばーか。さ、帰るぞ」
そっと差し出す左手に、右手を重ねる。
辺りは薄暗くなっていたけれど、湊叶さんの耳が真っ赤になっているのを見て
嬉しくなって、思わず体をすり寄せる。
一瞬、湊叶さんが驚いたのか体を強ばらせたけれど
直ぐに、優しい笑みを浮かべて反対の手で私の頭をくしゃくしゃっと掻き撫でた。
「いろいろしたいのは、山々だけどな……」
空を見上げ、小さく呟いたその声は
突然拭いた海風に掻き消されて、良く聞こえなかった。