訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】

それを見計らったように、蒼汰さんが店の隅から

小声で手招きをしてきた。



「つばさちゃん。ちょっと」



不思議に思いつつ、蒼汰さんに近づいていく。



「アイツのさ、時々耳触る癖知ってる?」



わざわざ耳打ちをするように、手を口に添えて

私の耳元で小声で囁く。



「あ、はい。あれ、照れ隠しなんですかね?結構、かわいいです」

「ぷっ……あれさ、自分の気持ちを抑えようとしてる時にするんだ。今度、試してみな」



気持ちを抑えようとする時?

初めて見たのは、いつだっただろう。

あれは確か私が入院した時に、湊叶さんがお見舞いに来てくれた時だ。

人として好きだって言ってくれた時に、真っ赤になった耳を触っていた。

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