訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
三年前の記憶を辿り、足を進める……ここを曲がれば、歩いて10分の距離。
だけど、その少しの時間が待ち遠しい。
お店が近づくにつれ、心臓がドキドキ高鳴る。
そしてはやる気持ちと共に、早足になっていく。
古民家を改築した趣のあるCafé『海と月』
目に映る、背の高い二人の影。
だけど、その内の一人に視線が止まった。
意見に比べて整えてはあるけれど、ふわふわの天然パーマ。
頭には、私の黒のカチューシャ。
まだ、使ってくれていたんだ――。
「湊叶さんっ」
思わず、キャリーバックをその場に放り出して彼に走り出す。
「……つばさ?」
居るはずのない人を見たかのように、驚きで目を見開いている。
それもその筈。だって、本当は明日帰ってくる予定だったんだから。