訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
私の両親がいい見本だ。
怪我をしてから、両親は一切陸上の話をしなくなった。
少し遊びに行って来る、そういうだけで「どこに行くの?誰と行くの?」と過敏に反応する。
その反応すべてが、私を傷つけるとも知らずに――。
経験して分かってるだけに、ジレンマが募る。
「冷たいって思う?」
その言葉にふるふると頭を左右に振る。
何も言わず、何も聞かずに普段通り接する側も辛いのかもしれない。
だってこうして話している蒼汰さんは、普段の明るくて元気な感じじゃなくて
すごく苦しそうなんだもの。
「周りがどうこう言っても、湊叶自身が乗り越えなくちゃいけないことなんだと思うんだ。それでさ湊叶が俺に話す気になったら、何時間でも付き合ってやろうと思ってる」
幼馴染みだからこそ、言える言葉なのかもしれない。
私にも出来るかな。
湊叶さんが苦しんでいると知っていて、待つことが――。
他に出来ることは無いのかな。
絢さんなら、湊叶さんを助けることが出来るのかな?