訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
どういう事だ、そりゃ。
小声で言ったって聞こえてんだよ。
瀬戸は俺に聞かれてないと思っているのか、首を店の外に向けている。
「それより、椅子に座りましょ。あ、横になる方が楽ですか?」
近くの丸椅子に手を掛け、ふと何かを思い付いたのか
その手を止め俺を見る瀬戸。
ちょこまかと動くその仕草が、可笑しくて頬が緩む。
本当に、落ち着きのないリスみたいだ。
「……なんでお前、ココに帰ってきたの」
「なんとなく、です。一人で立てますか?」
それくらい出来る、と思ったものの
実際立ち上がろうとすると、フラついて足に力が入らない。
情けない……あれくらいのことで、動揺するなんて。
「今、お水持ってきますから……」
瀬戸に肩を借りて、店内の座敷に連れてきてもらい腰掛ける。
それを見届けた瀬戸は、またキッチンへ姿を消した。