訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
「そんなに気を遣わなくてもいいのに。迷惑を掛けて、ゴメンなさい」
手を払い除けて、ゴメンなさい。
――好きになって、ゴメンなさい。
「迷惑だなんて……俺の方こそ、いろいろゴメン」
「湊叶さんが謝ることなんて、無いです」
そう、何もない。
だって湊叶さんは、私がケガをしたから指を口に含んで消毒を……。
口に含んで――。
あの時の事を思い出し、右手の人差し指を見て顔が熱くなる。
指に感じる温かくて柔らかな舌。
それがゆっくり動いて、傷口に感じたピリッとした感覚。
それすら気持ち良くて――。
あーもう、なに考えてるんだか。
これじゃまるで、痴女じゃん。
「お前、顔赤いけど。熱でも出たか、大丈夫か?」
いつの間にか、二メートルくらいの距離まで来ていた湊叶さんは
私の顔を心配そうに覗き込んでいた。