訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
特に何があるって訳じゃない。
湊叶さんと二人でいることも、不安はない。
少しは暗闇に目が慣れて湊叶さんの姿も、ぼんやりとだけど見えるし。
それでも、灯りは一つより二つあった方が良いと思った。
ただそれだけ――。
「よし、付いた。これで、少しはマシか?」
そう言って、私と湊叶さんの間に置いて部屋を照らし出す。
「あ、はい。ありがとうございます」
「変なヤツ。いつもの元気はどうしたんだよ……っ、悪ィ」
私の頭の上でピタリと止まる湊叶さんの手。
それは乗せられることなく、自分の後頭部に当てられた。
その時の彼の表情が、何故か傷ついたような感じに見えたのは私の思い違いかな。
いつもなら、容赦なくワシャワシャと撫でられるのに――。