訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
倒れた時に膝を打ったのか、それとも怪我が悪化したのか
痛くて痛くて、その場から動けなくなった。
目の前にゴールがあるのに……
手を伸ばせば、届きそうなのに。
痛みと悔しさと、諦めきれないゴールへの執着と。
いろいろな感情が織り交じった涙は
苦くてしょっぱかった。
「気がついた時には、私は病院のベッドの上でした。今日みたいに、雨が窓を叩く音で目が覚めたんです」
既に陽は落ちて、外は真っ暗だった。
個室で、部屋には私一人だけ。
サイドテーブルに置いてあった時計をみれば
21時を少し過ぎたところだった。
ふと大会のことを思い出し、起き上がろうと思ったけれど
足がうまく動かない。
それがどういう事か、直感的に思い知った。