訳アリ店長に”恋”しちゃいました♡【番外編追加】
私の陸上は、終わった――。
あんなに楽しくて、タイムが縮む度に喜んだ日は、もう来ない。
誰の責任でもない。全部、自分が招いた結果だ。
やり場のない苛立ちを、ベッドにぶつけて泣き叫んだ。
翌日、お医者さんに病状を聞くと
案の定、シンスプリントの症状が悪化していた。
それプラス、疲労骨折もしているため暫くは絶対安静。
まともに動くことも出来ず、出来るのは寝て過ごすだけ。
だけど、それも悪夢に悩まされる事になる。
最終トラックを走っていると、私の足を誰かが掴んで
地面に引き摺り込もうとするのだ。
泣いても喚いても、私の声は雷と雨に遮られ誰にも届かない。
そうして私は1人暗闇に落ちていく。
そんな夢を毎晩見るようになった。
「バカな話ですよね。全部、私が悪いのに……」
「よく頑張ったな」
湊叶さんの手の温もりが、頭の上に乗せられ
ゆっくりと私の絡まった心を解くように、優しく撫でていく。