紅一点の最強美少女!!!


見事な早業…!

零に拍手を送る私を無視して、陽が零をギロッと睨みつけていた。



『陽』

そんな陽をなだめるように名前を呼んだ零を見て、陽が一瞬顔をしかめる。


『僕だって杏ちゃんと一緒に遊びたいもん』


『陽…!』


…あれ? 零、なんか黒くなってる気が……?


『さっきから何……っ零さん!?』



やっぱり黒かったらしい。

と言うよりも、段々みんながわかるくらいのレベルの黒さになっていった。


ほら…やっと気づいた陽の顔が、恐ろしいくらい青くなってるよ。



ある意味かわいそう。




『類。
零…何とかならない?』



隣でずっと一部始終を私と観戦していた類の服の裾を引っ張りながらそう聞く。



もう、完璧に陽が気の毒になってきたんだよね。


悪いのは陽…なのか分からないけど。



『……さあな』




やる気なく答えた類は、私の手を引いてフェンスにもたれかかりながら座る。



まぁ、手を引かれたおかげで、私まで座ることになりましたけどね?




それも、類の足の上に。


類って、やっぱり天然タラシだよね〜?
やる事がいちいちカッコ良すぎる…じゃ無くて。



なんで私が類の上に座ってるの‼︎⁉︎


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