紅一点の最強美少女!!!
そんな類をものともせず、何方かと言えば楽しそうな海里の声色が聞こえた。
『じゃあな、オヒメサマ』
あ、うん。
じゃあなとか言われてますが、私の目の前に見えるのは類の制服だけでして。
あなたが手を振ってるのは想像できますが、見ることはできません。
ついでに付け加えると、何故か類の力が強くなったし。
これ、あれだね。
そろそろ酸欠でぽっくりあの世に逝っちゃうパターンのやつ。
ほらもう、酸欠で頭がクラクラ……するわけないか。
『類、ちょい苦しいから離して?』
『ああ……すまない』
私の言葉に返した類は、何となく、今気づいた感じの声色だった。
まって、それって私を抱きしめながら忘れてたって事だよね?
どんな技だよ、人を抱きしめながらそのことを忘れてるとか!
あなた、もはや地球の生物じゃないですよね、類さん!
そうじゃなきゃ、類の色気と天然タラシの理由の説明がつかない。
『馬鹿女。
変な妄想してんなよ?』
なぜ私の考えていたことが読めたのか…と将を見た瞬間。
視界に、将を含めたみんなの呆れた顔が映り込んできた。
わかったよ、私。
これ、あれでしょう?
『……声出てた?』
『バッチリ聞こえてたよ』
私の疑問に笑顔で答えてくれた夏に感謝…する訳さじゃないけど。
取り敢えず、疑問解決。
そしてやっぱり、私正解だったね。