紅一点の最強美少女!!!



『……ん、杏』


……誰かに名前を呼ばれてる気がする。


『着いたから、……ろ』


なんか、ものすごく起こされてる気がするんだけども。無視してもいいかな?


というか、着いたって、一体どこに…?


『名代町、着いたから。

杏、起きろ』



今度ははっきりと聞こえた、聞き覚えのある声。
その声のおかげで意識が覚醒した瞬間、目を開ける前に脳裏に寝る前の光景が浮かんだ。



……え、私、さっきまで類に膝枕してもらってたよね?
今、名代町に着いたとか聞こえた気がするんだけど。


もしかして、ずっと寝てた!?



『って、着い…っ!……いったぁ…』


ガバッと勢いよく体を起こしたのと同時におでこに衝撃が走って思わず両手で抑える。


『あ、やっと起きたんだね』


『夏…?』


『おはよう、杏ちゃん。
それにしても、おでこ大丈夫?
類と思いっきり衝突したけど』



にっこりと笑って私のおでこに手を伸ばしながらそう言った夏に、慌てて私とぶつかったらしい類を探す。


類は、結構ダメージを負ったのか、私と同じように両手でおでこを抑えながら蹲っていた。


あ、ああ…ごめんよ、類さん。
私が寝てたせいで起こしてくれた貴方にまで迷惑が……っ!!


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