紅一点の最強美少女!!!
『杏ちゃん、類、夏!
先生が“遅いっ!”って怒ってるよ〜』
ひょこっとバスの入り口から顔をのぞかせてそう言われた零の言葉に慌ててバス内を見渡すと、確かに私達以外の姿はなかった。
……あれ、これ一体どれくらいみんなを待たせてるんだろう?
きょーセンが本気で怒っているのが脳裏に浮かび(見たことないけど)慌てて類と夏の手を引いてバスから降りた。
うん、元といえば私が寝てたせいだけどね。
『類、ごめんね。
思いっきり頭突きしちゃった』
『……もう、ひいたから良い。
杏こそ、大丈夫か?』
痛みが引いたらしく、いつも通りの無表情に戻った類の言葉に頷いて返し、きょーセンの怒鳴り声に急かされて列に並んだ。
怖い。怖いよきょーセン。
るっちゃんも怒ったら怖いけど、きょーセンも負けず劣らずだよ。
『今日から二泊三日、この名代町で観光する。
ほぼ…というよりも三日間全て自由行動だが、くれぐれもサツの迷惑にはなんなよ』
教師としてあるまじき口の悪さでそう釘を刺したきょーセンの言葉で始まりの会…的な物が終了し、各自自室に荷物を置きに行くことになった。