紅一点の最強美少女!!!
それにしても、懐かしい。
『名代町…か』
せっかく来たんだから、あいつを探してみようかな。
ついでにここら辺の地域について依頼されてた仕事も終わらせることにしよう。
『あ、杏ちゃん僕達の隣の部屋だね!』
『同じ部屋が良かったなぁ』
ニコニコ満面の笑みで私よりも先に鍵を受け取ったらしい陽から鍵を受け取り、落ち込んだ様子の零に苦笑いを浮かべる。
流石にそれはダメだよね。
多分、私以外の女子の部屋も1人部屋だと思うよ?
あ、違うか。このクラスの女子は私だけだった気がする。
『杏、荷物置いたら外回ろうぜ?』
珍しく挑発的ではない口調でそう話しかけて来た将に一瞬目を見開くと、怪訝そうに眉をひそめられた。
いや、あれだよね。
いつも喧嘩腰でムカつく犬猿の仲の男が、いきなり静かになってしかも誘ってくるなんて、何か企んでるとしか……。
あ、でも将はバカだからそこら辺考えれてなさそうだね。
『……くそ女。それ、わざとかよ?』
『え、なにが?』
何故かさっきまでの落ち着きが消え、ひたいに青筋を立てた将の言葉に首をかしげる。
全くをもって覚えがないんだけど。
私、今の一瞬で将に何かした?
『……無意識って怖いね、零』
『うん、そうだね。あれ、絶対将君の蹴り食らっちゃうやつ!』