紅一点の最強美少女!!!
『杏、お前今日はここに泊まるんだろ?』
ビールを煽りながら私にそう言ったお父さんを見て、首をひねる。
『……そうだった?』
そんな事言ってた?
言って無かったよね?
あれ? 気のせいかな?
『……たく。
まぁ、どうでもいいけど泊まれよ』
うん? もう、強制だよね、それ。
『はいはい』
『はいはなー、一回でいいんだ!』
……あーもう。
絶対酔ってるよね、お父さん。
『あら、飲みすぎちゃってるわね〜』
そんなお父さんを、お母さんが隣で笑いながら見ている。
……なんで笑うんだか。
『なーなー、クソ女!』
将が私に向かってそう叫ぶ。
仮にも、先代。
ましてや、私の親がいる前で私をクソよわばりするのは、後にも先にも、将だけだよきっと。
……そんな意味のない敬意を込めて、無視させていただきます。
『おい、クソ女』
だって、私には名前がある。
それに、なんか、むかつく。