紅一点の最強美少女!!!
『…杏。程々にしろ』
『了解しました、類様〜』
類にもふざけて様付けをしながらそう言ってニヤッと笑うと、眉間にしわを寄せた類が立ち上がって私の手を後ろに引いた。
『おわっ…‼︎』
ボスンッと後ろに倒れた私を支えた類が、後ろから私の顎を掴んで上に向けて、仕返しとでもいうようにニヤリと笑った。
おお……類さん。その笑はちょっとどころじゃないくらい怖いんですが。
上を向きながら、引くつく頬を無理や引き上げる。
だめだ、これは。
ここから抜け出す手段が私にはない!!
『類、杏ちゃんそろそろ倒れそうだから、離してあげな』
夏の言葉に、チラッと視線を向けた類が、私を見下ろして目を細めた。
…夏さん、助けてくれたのは嬉しいですが、ちょっと微妙なお助けになったっぽいです。
『類、お前、よくそんなクソ女に近づけるよなー』
『そう言って、将だって気に入ってるくせに〜』
『陽。将は類に嫉妬してるんだよ〜』