紅一点の最強美少女!!!



無邪気に笑ながらそう言った陽と零を、将が今にも殴りかかりそうな目で睨んだ。



あーあ…双子は双子で助けてくれなさそうだし。
将に助けを求める時点で間違ってるし。

夏は助ける気さらさら無いらしく、新しく開けたビールなんか飲んじゃってるし。


…類さんは、未だに私を離してくれない。
それどころか、少しだけ力が強まった気さえしてきた。



『……夏。寝てくる』



『はいはい。

杏ちゃん苦しそうだから、あまり強く抱きしめないであげてね』



類に謎の言葉を返しながら笑った夏に視線を送ると、にっこり笑顔で返された。



…どういう意味ですか夏さん!



ここでまともなのはあなたしかいないんですよ⁇

夏に見捨てられる=誰も助けてくれない


なんで方程式が成り立っちゃうからね⁉︎




『……杏、来い』


相変わらず言葉数の少ない類に引かれ、私もそのままさっきの部屋へと逆戻りする。



そのまま間部室らしきところに入った類が、総長室の扉を開いて中へと入っていく。


一応警戒しながら入るも、流石にトラップは解除されていたらしい。


そりゃあ、そうだよね?
もしまたトラップ発動してたら、きっと類のこと殴ってたもん私。


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