紅一点の最強美少女!!!
『それ、最早ホスト喫茶じゃなくてコスプレ喫茶だよな』
椅子を前後に揺らしながら言った将の言葉に、教室が一瞬静まり返った。
『それだ!』
『流石将さんです! 思いつかなかったんですよ』
クラスメートが口々にそう言うのを聞いて、思わずため息が漏れた。
分かった。
皆、馬鹿なんだね?
あの将でさえ呆れた顔してるんだから、相当な馬鹿だよね?
『僕、白衣着る〜』
そんな声に後ろを見ると、顔を輝かせていた陽と目が合った。
陽が白衣なんて、もの凄く似合いそうだけども。
やる気満々な気がするのは、きっと私だけではない…と思いたい。
陽がこんなに楽しみにしてるなら、逃げるなんて選択肢が消え去っちゃいますよ。
『じゃあ…俺は無難に黒スーツ貰います』
『夏! お前抜け駆けしやがって…。
なら俺は特攻服もらうぜ』
早めに安全策をとった夏に、将が乗っていつの間にか残りの衣装が3着に。
……どれ着ても変わらない気がするけど、個人的に白のスーツだけは避けたい。