紅一点の最強美少女!!!
暫く揺すっていると、類からくぐもった声が聞こえてきて手を止めた。
……起きたかな?
『類、衣装もう決まったけどいい?』
『……ああ』
少しだけ顔を上げた類は、私の言葉にそう頷いてまた寝る体制に入った。
いくらなんでも寝すぎでしょ、類。
考えてみれば、屋上にいてもだいたい寝てる気がするし。
完全なる夜行性だね。
『俺からの話は以上…じゃねえな。
最初に謝っておくけど』
変に言葉を区切ったきょーセンに、クラス中が嫌な予感を感じた。
…はず、多分。
『今週末テストだから、赤点取るなよ〜』
そんなクラスの視線に気づいたのか、それだけ言ってきょーセンは逃げるように教室を出て行った。
あ…テストね。
なんかもっと重要なことかと思ったよ?
文化祭の次の日に体育祭とか?
…多分それはないと思うけど。
でも、周りのみんなはそんな簡単なことではなかったらしい。
やけに静かな事を不思議に思って教室を見渡すと、さっきまで固まっていた人達が一斉に教科書を読み始めた。