紅一点の最強美少女!!!
何事ですか、これは。
『杏ちゃん来たばっかだから知らないっけ?』
『うん、何を?』
ニコッと、嫌味なくらい可愛く笑った陽が、てを差し出して来た。
それを見て、思わず首をかしげる。
……なんでしょう、この手は。
『握手じゃねえの?』
困惑していた私に気づいたのか、隣から将が助け舟を出してくれた。
なんの握手かわからないまま、陽の手を掴んで軽く上下に振った。
『杏ちゃんも補習組だよねっ!』
手を握り返した私を満足そうに見た陽の言葉に、またまた首をかしげる。
……陽の言葉に主語がなくて伝わらないのは、絶対私だけじゃないと思う。
通訳してくれそうな夏に視線を向けると、少し困った様な笑みを浮かべた夏が、分かりやすく説明してくれた。
夏の話を要約してみると、この学校のテストは一回しかないらしく。
そのテストで赤点を1つでも取ると、留年決定。
更に言えば、平均点以下は赤点でなくとも全員補習組に回されて、これから来る冬休みは無し。
という事ですか。