紅一点の最強美少女!!!
さっき夏に止められたのも忘れ、将をからかうことを思いっきり楽しむ。
んー…なんでこんなにからかい甲斐が有るんだろう。
はじめ見た時なんて、ただのイカツイ無礼やろうだと思ったんだけど。
陽と零は、第一印象も今も、可愛いの一言に尽きるけどね?
さらに言えば、類の印象も変わってない。
人形みたいに綺麗な事と、それに加えて天然タラシが加わっただけ。
夏は、学校来た初日に敬語じゃないことに衝撃を受けたんだよね。
何となく過ごして来たけど、こう考えてみれば結構時がたつのも速い。
私がこの学校に来たのが1ヶ月前なんだから。
『あ、住んでるよ?』
『あ?』
将の質問に答えてないことを思い出して、ワザワザ答えてあげたのに。
突然なんだよ…とでも言いたげな表情が返されて、ピキッと頰が引きつる。
…怒って良い?
良いよね、私、悪くないよね?
『お前の質問に答えてあげたんだよ。
ワザワザ‼︎
優しい優しい杏様が』
『てめぇこそ主語がねえんだよ。
お前、俺と同等かそれ以下だな!』
……へぇ…?
怒ってる私に言い返してくるなんて、なかなか度胸があると認めてあげるけど。
それで許すほど、私の心は宇宙のように広くないんでね。
『将…?』
多分、今まで見せた中で1番の笑顔で将の名前を呼ぶ。
うん。
個人的に、笑顔で怒る人の方が怖いし?