僕は男だ‼


頭をポリポリとかいて、僕を見る拓也。


「...先に戻っときなよ」

「それはダメだ‼こんなかわいい子残していけない!」
あんたは親か。



だからって担いでもらうにもムリがある。
さすがにバレル。
女だってことが...。



ムンムンと悩んでいると急に拓也が背中を見せてしゃがみこんだ。

「な、何...」
「おんぶしたら!」

マジか‼(・・;)



おんぶなら...バレないかな...。
恐る恐る拓也の肩をつかむ。

「ダメダメ!こーう!」
「うぎゃっ」

手が‼

首に回されたっ。
あわわわわッ?!


「しっかりつかめよー」
「...うん」

グイッ‼
ッ!

いい匂い...。
拓也のシャンプーか?

「じゃぁ寮にしゅっぱーつ‼」
「お、おー」

太ももに回された手に力が入り、景色が一変した。

はやッ!

上下に揺れる体、頬に当たる風、たくましい肩。



「っ...」
僕は...男に産まれたかった...。
女のようにうじうじしない。
たくましい男に...。

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