僕は男だ‼
突然、失神!!!
キッチンについて、辺りを見回しているといい匂いがした。
この匂いは.....
「ハンバーグですか」
「うぎゃっ?!....ってノラちゃんかぁ」
「ノラです」
「ノラちゃん!」
やだこの子。
ちゃん付けしなくて良いってのに...。
諦めて乃化先輩の握られているフライパンの中で踊らされているハンバーグを見た。
「おいしそぅ」
肉から肉汁が出て、熱せられたフライパンから水蒸気が出る。
「でしょー!えへへへ」
可愛いなぁ……。
ハンバーグが出来上がるまで、僕はサラダを作っていた。
そして僕たちはたわいもない話をし続けていた。
というか、乃化先輩がべらべらと一人で話しかけに来ただけなのだ。
しかし、異変が起きた。
「ねぇ、ノラちゃん」
「....」
「なんで、せーまは乃化の事どー思うって聞いたと思う?」
「......さぁ。わかんないですね」
乃化先輩の声色が変わった。
「ちょっと前にね。僕と同年代の生徒が特別寮にいたんだよ~。でも、退学させられちゃってね」
「....つまり、乃化先輩がへましたと」
「だんだん口悪くなってきたよね。......ノラちゃんのくせして」
僕はちらりと乃化先輩を見た。
「乃化先輩のそういう悪魔な性格が問題なんじゃないの?」
「...いつから?」
は?
ドレッシングを作っている手を止めて、改めて横を見る。
「いつから知ってたの?プリチーな僕が......」
ニヒルと乃化先輩の口の端が怪しくつり上がった。
「小悪魔な"俺"だってさ....」