ヴァンパイヤが総長に恋をした
「ありがとう」
お母さんは、タオルに巻かれた保冷剤を赤くなっている私のおでこにソッとあてる
「会場につくまで、冷やしときなさい?
これからは、ぶつけないようにしないとダメよ?」
『はい…』
次は、気をつけて、車に乗った
お母さんと朔さんは、違う車で行くらしい
おでこを固まって冷やしていると、
車が少し、揺れて、バタンッと、音がした
〔動きますよ〕
ガンっ
『ったぁ…』
次は、車が進みだした衝撃で肘をぶつけた
「ククッ。おでこの次は肘か。 ドジなのか?」
『…あ、さっきの金髪君』
笑いながら話しかけてきたのは、
さっきの金髪君。
腕と足を組んで座っていた
人間…
「金髪君じゃねぇ。疾風だ」