ヴァンパイヤが総長に恋をした






ザクッ




〔ぐぁ!!!〕

『弱い。』




腕一本。




『ねぇ。人間を食べて面白い?』

〔…あぁ。面白いさ。
怖がる顔が一番、最高の顔だ。
その顔を見たあとに、血を吸えるんだ〕

『へぇ。私もヴァンパイヤだけど、そうは思わないな』

〔お前はただのヴァンパイヤじゃないからだろ〕





そうだけど、ヴァンパイヤでもあるけど?





「アクア様、はやく殺っちゃおうよ。
時間かけすぎても、めんどくさいよ」

『うん。そうだね』

〔俺を殺すのか?〕

『当たり前。ヴァンパイヤを殺すのが、天使の役目だから!!』




シュッと私の剣が風を切る




〔じゃあ、最後はお前も死ぬんだな〕

『…』

〔だって、ヴァンパイヤだろ?死神のハーフだとしても、ヴァンパイヤはヴァンパイヤだ〕





そうだよね。私も、自分が天使だとわかって、考えた。



天使は、ヴァンパイヤを殺すのが役目。


自分も、ヴァンパイヤ。

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