ヴァンパイヤが総長に恋をした
「さ、時間だ。行くぞ」
『う、うん』
お父さんと腕を組んで、先に進んだ
■■■
「この先に、疾風がいるぞ」
『う、うん』
中から声がして、ガチャリと目の前にある大きなドアが開いた
パチパチパチ
『…うわ…』
「ほら、行くぞ」
中は下が赤い絨毯。天井は黒くて、
黒のシャンデリア。
黒と赤の花弁が舞っている。
両脇で拍手するのは、
この界国のヴァンパイヤの人たち。
泣いて喜んでくれる人、
笑って喜んでくれる人、
両脇の間をお父さんと歩き、その先には、
私を見て微笑んでいる疾風さん