イタズラなオオカミ
放課後、片付けをしてるとヒューと口笛が鳴った。
教室の入り口に片手をついて立ってる男子。
長い腕が綺麗に決まって立ってるだけで絵になる。
あれがあたしの彼氏?
誰が聞いても信じやしないよ。
だって平平凡凡なあたしには
もったいないほどの男子なんだもん。
田舎でだってもてた事なんかなかった。
今まで誰とも付き合ったことなんかないし!
とにかくどうしてこうなったのか
聞いてみなくちゃ。
クラスメイト達の好奇の目があたし達に注がれる。
おずおずと教室を横切りながら光太郎の前に立った。
「あの・・・」
「帰るぞ」
光太郎はあたしの腕を掴んだ。
ドキンと心臓が震えた。