イタズラなオオカミ
「コホン・・あのですね。回数が問題でもなく、
付き合うには気持ちが大事かと。
あたし、あなたの事なんか全く知らないし
あなたも、あたしの事知らないでしょ?」
「まあ、知らないといえば知らない。
でもこれから知るよ」
「そういう事じゃなく・・・」
確かにモデルのような男子に迫られるのは嬉しいはずなのに
胸の中で何かがモヤってる。
勇気を出して聞いてみるか!
「あの・・・あたしの事好きなんですか?」
「好き?俺は人を好きになった事はない」
衝撃的な言葉。
好きじゃないのに付き合ってる?
なんたる矛盾。
顔しかめて光太郎を見た。
「なんだよ、怖い顔して俺を見るな。
俺は人を好きになれない人間なんだ。
親の愛情すらなかったしな。
お前の事は・・・
そうだな。ペットのようなものだ。
世話がやけるペット。
犬よりいいぞ。
会話できるんだからな」
がぁぁぁぁぁぁ~ん。
大きな鉛があたしの心臓に打ち込まれた。