イバラの王宮


「ねえ、姫様!!今度は私のを…」


「いいえ!!次は私よ!!」


「姫様、私も…!!」


「ふふっ…そうだわ、今日は皆さんにお聴きして貰いたい物がありますの


一曲、お付き合い下さいね」


彼女はそう言って琴を奏でる


「素敵…」


「本当に非の打ち所がないわ…」


貴族の娘達から向けられるのは尊敬の眼差し


そう、彼女はまさに完璧


政治をさせれば、誰も考えつかない斬新なアイデアで不況を巻き返し、

武術をさせれば、城の騎士団と同程度に戦え、

音楽を奏でれば、その美しい旋律に人々は酔いしれる


だからこそ、王は彼女に座を渡したのだった

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