イバラの王宮


王宮には毎日のように手紙が届く


「…また縁談ね」


「当たり前です。フウアン様より良い女性はこの世におりませんから」


「…そうじゃないわユアン。皆、土地が欲しいだけよ。私はあくまでその道具

契りを交わせば、私は狭い部屋に閉じ込められて、王子を産めとまるで子をつくる機械みたいに扱われるの…」


「…だから縁談を…」


「私は、お父様から託されたこの国を守りたい。いつか、民からここを追い出されるまでは…力を尽くして、皆を幸せにしてみせる」


「フウアン様…」


「でも、本当はどうしようもなく不安なの。私の選択で誰かが命を落とす事があるかもしれない…そう考えると止まらなくて…でも、そんな姿を見せたら皆も不安になってしまう…

私は皆には安心して毎日を送って欲しい

明るい未来を信じていて欲しい…」



「…貴方が例え道具になろうと、国から追い出されようと、一生貴方にお仕えします。

私は王女の貴方も、今の貴方もとても尊敬していますから

今回も全て上手く断っておきますね」


「…ありがとうユアン…」


彼女は悲しく微笑んだ

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