あなたにあたしの何がわかるの

「失礼しまーす。

佐伯由美香です」




「おぉ、おぉ、よく来たねえ佐伯くん。

待ってたよ。さぁさぁ座って」





気の良さそうなおじいちゃんが椅子に座って待っていてくれていた。




「今日から授業受けれるかい？」



「はい」



「よかったよかった。じゃあ1年Ａ組へ行ってくれるかい？

場所はこの廊下のつきあたりを右に曲がった一番奥の部屋だから」




「わかりましたありがとうございます」






私が、部屋を出ようとすると、


「あぁ、ちょっと待ってくれ」



「何ですか？」



「Ａ組には暴走族の総長と幹部が何人かいるからあまり関わらないようにね。」





私は、返事もせず、部屋を出た。


ﾊﾞﾀﾝｯｯ



誰もいない廊下に扉がしまる音が響く。








「私は…………暴走族なんか大嫌いだ」






そう誰にも聞こえないぐらい小さく呟いた。