あなたにあたしの何がわかるの
ワッと一気に廊下が騒がしくなった。
女子のキャーキャーという声だ。
さっき話しかけてきた子もなぜか嬉しそうな顔をした。
「なに?この声」
「由美香ちゃん、知らないの?白龍のこと」
知らないといえばうそになる。
だけど私は嘘をついた。
「知らない」
「えぇっ。
白龍は今、すごい人気なんだよ!特に幹部の人たちがみんなかっこいいの。」
族に人気とかあるのか…と思いながらも声のする方をちらりと見るけど、女子に囲まれていて何も見えない。
「ふうん」
「総長と幹部1人がこのクラスだよ」
「そうなんだ」
何人いようと関わる気はないから、私は適当に流して、耳にイヤホンをさして自分の世界へ入った。
話しかけてた子も他の友達のところへ行って、楽しそうにお喋りをしていた。