あなたにあたしの何がわかるの

「あのなぁ、俺はお前の分の学費払ってやってんの！

だから行け！」




うっ……。

子供にお金の話するのはズルいよ………。




「わかったよ！行けばいいんでしょ！！行けば！」




私と今話しているこの人は、上原宗一郎––Uehara Soichiroさん。


私の親ではないけれど、訳あって私はここに居候している。



宗一郎さんは私に何も聞かない。
ただ、家に居させてくれる。




とっても優しい人でお世話になっている。
口は悪いけど私のことを思ってくれているのは十分伝わってくる。








「明日から行けよ？

体調不良てことで欠席してんだから」





「でもあたし、高校の場所覚えてないし。」




「ﾁｯ。しゃーねえ明日だけは俺が送ってってやる。早く起きろよ」




え、今舌打ちしたよね？？？
だって覚えてないんだもん！！！！



家から一番近い高校ってことで選んだだけだからどんな高校かとか全く覚えていないし…。






私は多少めんどくさがりながらも高校への不安を胸に眠りについた。