恋の掟
♪ブーブーブーッ
ポケットで携帯が鳴っている。
裕月は携帯を取りだし、画面を見た。
〔着信〕 亜梨
「あ…忘れてた。」
時計を見ると、指定の時間から10分程過ぎていた。
裕月は子供のような彼に頭を下げ
「ありがとう」
と、言い残して背を向けた。
出口に向かって少し歩き、電話を出ようとすると
『待って!!』
後ろから声がした。
振り返ると、またあの笑顔で
『あんた名前何?』
そう聞いてきた彼に裕月は
「あんたは?」
と、聞き返した。
『光毅(こうき)』
光毅がすぐ答えたため、裕月も言うしかない。
裕月は光毅に背を向けて出口に向かいながら
「裕月!!」
と、叫んだ。
初めて会う男に何故自分の名前を教えたのかは、裕月自身もわかっていなかった。
裕月は【ただの興味本位】
そう思いながら、いつもの場所へ走って向かった。
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