幸せの結末
『いえ。悩みなんて何もありません。』

私は答えてから俯いた。

『何もないのに、こんな間違いしないだろ?さっきも、何度も呼んでるのに上の空だっただろ?』

翔が浮気してるかも…って気になって上の空だったとも言えず、翔の言葉に、何も答えられない私…。

翔は何も答えない私にイライラしているようだった。

そして、

『もういいよ。戻って訂正して。』

そう冷たい声で言うと私を全く見ずに会議室を出ていった。

会社では泣かないと決めていたはずなのに、ポロポロと涙が出て止まらなかった。

しばらく会議室から出られずにいると、ガチャッと音がして、優希が会議室に現れた。

『由華…。どうしたの?大塚課長が由華が変だからって私のところに来たよ?何かあった?具合悪い?』

優希の言葉に更に涙が溢れる。

『あのね…。』

『うん。』

『あのね…翔がね…。』

『うん。大塚課長が?』
< 4 / 25 >

この作品をシェア

pagetop