幸せの結末

『そっか…。ごめんね。私が、こんなだから話せなかったよね。ツラかったね…。気付いてあげられなくてホントにごめんね。』

優希は、そう言って小さな体で私をぎゅっと抱きしめてくれた。

『でもね、由華。大塚課長、すごく心配してたよ？あいつ、何か悩みがあるみたいで変だから、行ってやってくれって…。ちゃんと経理部長と公人に許可を取って、私を会議室まで連れてきてくれたんだよ。』

元々おっとりした口調の優希が優しく私に言い聞かせるように話を続ける。

優希と話していたら少しずつ落ち着いてきた。

『大塚課長も、何か理由があって、出掛けたり遅くなったりしてるんだと思うんだよね。あんなに由華のこと好きって言ってて一緒に暮らし始めたのに、急に他の人を好きになるなんて、あり得ないよ！私も公人に聞いてみるけど、由華も、モヤモヤしてるなら、自分で大塚課長に聞かないとダメだよ？』

『でも…もしホントに他に好きな人ができたって言われたら…私…。』

涙が止まらないまま、そう言った私に優希は

『大塚課長が他に女作ってたら、私が文句言ってあげる！公人にも経理部長にも言って、大塚課長が会社にいられなくなるようにしてやるんだから！』

そう言って握りしめた拳を私に見せた。