秘密の記憶は恋の契約
4.契約成立
アクアシュガーの仕事も終わった、その日の夜、午後8時。
私たちシステム事業部メンバーは、会社近くにある和食居酒屋へとみんなでわらわら移動していた。
どうしても仕事が終わらず帰れない、という数名の社員を除いては、全員参加のこの宴。
今朝言われていた通り、岩下さんの復帰祝いではあるけれど、その主役である岩下さんが『梅村と綾部の恋バナを聞くぞ!』と妙に張り切ってしまっているので、私は遠慮したかった。
(なんて、絶対無理な望みだけども・・・)
店に入り、入口で履き物を脱ぐと、長い廊下の先にある、奥まった広い座敷の部屋に通された。
6人掛けの座卓が6つ、三列と三列に分かれて等間隔に並んでいる。
私は部屋に入るや否や、いちばん奥にある座卓の、壁際の端っこの位置をキープした。
(ここで目立たないように座ってよう・・・)
なんて思っていたのもつかの間。
私の隣に、綾部くんがどかっと座って胡坐をかいた。
(!?)
「ちょっ・・・!なんで隣に座るの!?」
まだ、他にも席は空いている。
なのにどうしてここの場所!?
「なんでって・・・いいじゃん別に。彼氏だし」
「だからでしょ!職場の集まりなんだし・・・こういうときは、あえて離れて座るもんだよ!」
私たちシステム事業部メンバーは、会社近くにある和食居酒屋へとみんなでわらわら移動していた。
どうしても仕事が終わらず帰れない、という数名の社員を除いては、全員参加のこの宴。
今朝言われていた通り、岩下さんの復帰祝いではあるけれど、その主役である岩下さんが『梅村と綾部の恋バナを聞くぞ!』と妙に張り切ってしまっているので、私は遠慮したかった。
(なんて、絶対無理な望みだけども・・・)
店に入り、入口で履き物を脱ぐと、長い廊下の先にある、奥まった広い座敷の部屋に通された。
6人掛けの座卓が6つ、三列と三列に分かれて等間隔に並んでいる。
私は部屋に入るや否や、いちばん奥にある座卓の、壁際の端っこの位置をキープした。
(ここで目立たないように座ってよう・・・)
なんて思っていたのもつかの間。
私の隣に、綾部くんがどかっと座って胡坐をかいた。
(!?)
「ちょっ・・・!なんで隣に座るの!?」
まだ、他にも席は空いている。
なのにどうしてここの場所!?
「なんでって・・・いいじゃん別に。彼氏だし」
「だからでしょ!職場の集まりなんだし・・・こういうときは、あえて離れて座るもんだよ!」