秘密の記憶は恋の契約
「・・・おまえは、わかりやすくてかわいい」

「・・・!?」

うつむく私にかけられた、突然すぎる甘い言葉。

私は思わず、右側にいる彼の顔を見つめてしまった。

ドキン、と、大きく胸が鳴る。

目が合った彼は、今朝、キスをした時と同じ顔。

私を愛おしそうに見つめるその瞳は、優しくて、甘くて、ときめくように胸が震えた。


(お願い、静まって・・・!)


自分の胸に、何度もそう言い聞かせるのに、私は自分の家にたどり着くまで、うるさい心臓の音を聞いていた。








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