秘密の記憶は恋の契約
「うん!わかります!絶対してる気がするなー」

と、意味深に笑う金田さん。

「へえ。そうなのか」

と、嬉しそうににやける綾部くん。


(うう・・・二人とも意地悪だ・・・)


「できたのか?好きなヤツ」

そう言って畳みかける綾部くんの顔は、いかにも「オレだろ?」と言いたげで、私は反発したくなる。

「別に・・・まだ、好きって気持ちが確定したわけじゃないし」

私がぼそっと呟くと、綾部くんは「ふーん」と言って、さらに顔をにやつかせた。

「確定してないけど、好きになりそうな感じなんだ?」

「!」


(もしかして私、墓穴掘った!?)


「そういうわけじゃないけど・・・」

モゴモゴと口ごもる私に、「うんうん」と頷きかけるのは金田さん。

「そういう感じのときはね、だいたい好きになっちゃうのよ。

・・・っていうか、もう好きになってるのかもしれないね」
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