秘密の記憶は恋の契約
「日曜日、オレから誘ってやる。デートしよう」

扉が開く寸前、私の耳元で囁くと、綾部くんは何事もなかったように自分の席に向かって行った。


(な・・・なんなの!?)


顔が、熱い。

平然と仕事に戻る彼の後ろ姿を、戸惑いとときめきが入り混じった様な気持ちで見つめる。

その後、火照った頭と鳴り続ける心臓のせいで、私はなかなか仕事に身が入らなかった。










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