秘密の記憶は恋の契約
(後でまた、メールくれるって言ってたけど・・・)


カバンからスマホを取り出して、受信メールをチェックする。


(まだ、きてないか・・・)


「もう少し残業する」と言っていた彼は、確実にいまは仕事中。

だから、デートについてのメールがくるのは、もっと遅い時間か、明日になると思うけど。

それでも私はそわそわと、何度も画面を操作する。


(・・・何着て行こうかな・・・)


髪型、どうしよう。


(どこに連れて行ってくれるのかな・・・)


甘さを帯びた感情で、彼のことを考える。

認めたくはないけれど。

私は日曜日を、とても待ち遠しく思っていた。






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