秘密の記憶は恋の契約
マンションのエントランスを出ると、私を見つけた綾部くんが軽く笑って右手をあげる。
ガラス越しの彼は、妙にかっこよくてドキドキと胸を鳴らしたけれど、車のドアを開けた私は、何食わぬ顔で「おはよう」と言って助手席に座った。
「おはよ」
私に微笑みかける彼は、紺色のシャツにベージュのパンツというシンプルな出で立ち。
ガラス越しだからいつもよりかっこよく見えたと思っていたのに、間近で見るとさらにかっこいいことに気づいてしまい、私はやっぱり悔しくなった。
「・・・へえ・・・ずいぶん、かわいくしてきてくれたんだな」
私を見ながら、彼はにやにやとした笑みを浮かべる。
「かわいい」という言葉にドキリとしつつも、綾部くんの表情に、反抗せずにはいられない。
「別に・・・綾部くんと出かけるからじゃないよ!鎌倉なんて、久しぶりだから」
嘘がバレなければいいけれど。
私は、膝の上でクリーム色のショルダーバッグをギュッと握った。
「ふうん・・・。まあいいや。いずれにしろ、彼女がかわいいっていうのは嬉しいし」
そう言って軽く笑うと、綾部くんはゆっくり車を走らせた。
ガラス越しの彼は、妙にかっこよくてドキドキと胸を鳴らしたけれど、車のドアを開けた私は、何食わぬ顔で「おはよう」と言って助手席に座った。
「おはよ」
私に微笑みかける彼は、紺色のシャツにベージュのパンツというシンプルな出で立ち。
ガラス越しだからいつもよりかっこよく見えたと思っていたのに、間近で見るとさらにかっこいいことに気づいてしまい、私はやっぱり悔しくなった。
「・・・へえ・・・ずいぶん、かわいくしてきてくれたんだな」
私を見ながら、彼はにやにやとした笑みを浮かべる。
「かわいい」という言葉にドキリとしつつも、綾部くんの表情に、反抗せずにはいられない。
「別に・・・綾部くんと出かけるからじゃないよ!鎌倉なんて、久しぶりだから」
嘘がバレなければいいけれど。
私は、膝の上でクリーム色のショルダーバッグをギュッと握った。
「ふうん・・・。まあいいや。いずれにしろ、彼女がかわいいっていうのは嬉しいし」
そう言って軽く笑うと、綾部くんはゆっくり車を走らせた。