秘密の記憶は恋の契約
「それで、元カノは?10人?20人?」

もしかしたら、もっともっといるかもしれない。

自分から聞いたことだけど、堂々と「モテる」と宣言されたことが悔しくて、私は完全に逆切れ状態。

「おまえ、オレを何だと思ってるんだよ」

「何って・・・だって、モテるんでしょ?」

「モテるからって、別に・・・彼女をとっかえひっかえする訳じゃねえよ。

オレは本当に好きな女としか付き合わないから。おまえが思ってるより確実に少ないと思うけど」

「そうなの?」

「そうだ。好きでもない女に、時間なんてかけたくないし」


(ふーん・・・そうなんだ・・・)


今の言葉の意味を考えたなら。

私に「彼女になれ」と言って、こうしてデートをするということは・・・私のことが、本当に好きだということになる。


(・・・)


胸の中が、急激に甘くざわめきだした。

私は、どうしようかと考えつつも、ずっと抱いてた疑問を綾部くんにぶつけてみる。

「あの・・・そもそも・・・・・・私を好きなのって、なんで?」
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