秘密の記憶は恋の契約
ムッとする私にかまわず、彼は軽く笑って話を続ける。

「それからは、自然とおまえを目で追うようになってたな。気が付くと、いつも美咲のことばっかり考えてた。

元々いいやつだなとは思ってたし、結構気に入ってたけど。

仕事もいつも一生懸命だし・・・やっぱかわいいなって、どんどん好きになってった」

「う、うそだ・・・」

恥ずかしい言葉の羅列に、私は思わず照れ隠し。

「うそじゃねえよ。ほんとに・・・おまえ、なんでもすぐに顔に出るだろ。

からかえば赤くなるし、怒ればどんどん口が尖るし・・・わかりやすくてかわいいよ」

「!!・・・そ、そんなの・・・!」

「かわいいって。・・・オレは好き」

「!」

とどめのように言われた言葉に、頬がかあっと熱くなった。

「だから・・・おまえは、まだ真剣に考えてないのかもしれないけど。

オレはずっと好きだったし、本気だから。

これからでもいいよ。・・・ちゃんと、オレのこと考えろ」

真剣に呟く彼の声が、私のココロに甘く響いた。

うまく言葉がつなげない私は、「うん」と短く頷いた。







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