秘密の記憶は恋の契約
目が合った、彼の瞳は。

優しくて甘くて、とろけるような眼差しで、私のことを見つめていた。

胸が高鳴る音がする。

好きだとか、かわいいとか。

どんな甘い言葉より、その表情は、確実に私のココロを捉えてしまった。

熱くなる頬。

鼓動がどんどん速くなる。

「おまえの笑った顔、本当に好き。オレのバカをさらした甲斐があったな」

私の顔を覗き込む綾部くんは、いままでに見たことのないくらい、満足そうな顔をしていた。


(私も・・・)


「好きだよ」と言いそうになって、慌てて口をきゅっと結んだ。

優しく目を細め、私を見つめる彼の瞳。

鳴り響く胸を抱えた私は、その視線に耐え切れず、すっと目をそらしてしまった。




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