秘密の記憶は恋の契約
20時すぎ。
海沿いのレストランで夕食をすませると、綾部くんの車は帰り道を進んで行く。
「家が近いっていうのはいいな。送るのも楽だし」
「うん・・・そうだよね」
独り言のように呟く彼に、私もぼそりと同意する。
海沿いの国道は、狭い上下一車線で、ゆるいカーブを描いている。
渋滞で列を成す車の赤いテールランプが、昔見たアニメの架空生物に似ているな、とぼんやり思った。
「結構歩いたから疲れただろ。寝てていいよ」
運転席の彼は、そう言って私に微笑みかける。
車窓からは、くるくると回る灯台の灯りや、ほのかに光る船のライトが浮かんで見えた。
「・・・ううん・・・大丈夫。車から夜景見るの、好きなんだ」
もちろん、疲れていることは疲れているけど。
綾部くんの車の助手席で眠るなんて、今の私には、もったいなくて出来ないと思った。
「・・・そっか。じゃあ・・・いつでも言えよ。夜のドライブぐらい、いつでも連れて行ってやる」
その言葉に。
私の耳は大きく反応したけれど、どうしようもない照れ隠しで、窓の外を見ながら「うん」と軽く返事した。
(・・・予定外だな)
好きになるって、なんとなく、そんな予感はしていたけれど。
こんなにすぐに好きになるなんて、完全に、予定外の展開だった。
海沿いのレストランで夕食をすませると、綾部くんの車は帰り道を進んで行く。
「家が近いっていうのはいいな。送るのも楽だし」
「うん・・・そうだよね」
独り言のように呟く彼に、私もぼそりと同意する。
海沿いの国道は、狭い上下一車線で、ゆるいカーブを描いている。
渋滞で列を成す車の赤いテールランプが、昔見たアニメの架空生物に似ているな、とぼんやり思った。
「結構歩いたから疲れただろ。寝てていいよ」
運転席の彼は、そう言って私に微笑みかける。
車窓からは、くるくると回る灯台の灯りや、ほのかに光る船のライトが浮かんで見えた。
「・・・ううん・・・大丈夫。車から夜景見るの、好きなんだ」
もちろん、疲れていることは疲れているけど。
綾部くんの車の助手席で眠るなんて、今の私には、もったいなくて出来ないと思った。
「・・・そっか。じゃあ・・・いつでも言えよ。夜のドライブぐらい、いつでも連れて行ってやる」
その言葉に。
私の耳は大きく反応したけれど、どうしようもない照れ隠しで、窓の外を見ながら「うん」と軽く返事した。
(・・・予定外だな)
好きになるって、なんとなく、そんな予感はしていたけれど。
こんなにすぐに好きになるなんて、完全に、予定外の展開だった。